貝原益軒が81歳の時(1710年)に著した和俗童子訓(わぞくどうじくん)に、次のような一節があります。
「古語では、『およそ小児を健康にするには、三分の飢えと寒さとを負わされるべきである』と云われている。三分とは十のうちの三分を言う。その心は、少しは腹を空かせ、少しだけ冷やすのが良い、ということである。古人の、子どもを健康に保つ良法である。世俗の人はこれを知らずに、子どもに母乳や食事を多く与えて飽きさせ、甘い物、果物を多く食べさせるために、気がふさがって、必ず脾胃を傷めて病気になる。子どもの不慮の死は、その多くはこれが原因である。」
健康や治療の秘訣は細胞に好ましいストレスを与えることです。
細胞に好ましいストレッサーを浴びさせ、適度なストレスを生じさせることです。
好ましいストレッサーとは、それは自然界から受ける自然な種類の、しかも自然な強度のストレッサーです。
細胞を取り巻く環境の温度、酸素濃度、二酸化炭素濃度、浸透圧、pHなど、様々なものが狭い範囲で揺れ動いていますが、それらが一定範囲から少し外れたとき、細胞に適度なストレスが生じます。
それが、適度な空腹と自然の寒さということです。
現代の親は「子どもたちのお腹が空かないように…」「喜んで沢山食べてくれるものを作らなければ…」「寒くならないようにこれを着せよう…」などと、正反対なことをやっています。だからこそ、すぐに風邪をひいてしまうような不健康な子ども達が激増しているのです。
「腹八分に医者いらず、腹六分で老いを忘れ、腹四分で神に近づく」と言われますが、時にファスティングを行い、冷水を浴び、朝日を浴びながら、そして自然を愛でながら散歩してみてはいかがでしょうか?